「ゆう在宅クリニック」の由来

院長コラム開始にあたり、当院のことをご紹介していきたいと思います。

私の「ゆう在宅クリニック」は、2007年に立ち上げました。「ゆう」には、You(あなた)、友(友達)、優(優しい)、悠(悠々)など、いろいろな言葉があてはまります。患者さんたちが、それぞれに感じるままの文字をあてはめてもらいたいと思い、ひらがなで「ゆう在宅クリニック」と名付けました。

病院に勤務していた頃、終末期医療のあり方に疑問を感じていました。多くの患者さんが「家に帰りたい」と望んでいるのに、病院で最期を迎えざるを得ない状況が少なくありませんでした。そして、そこで提供される医療は「点滴をして寝かせているだけ」という状態が多く、患者さんのためというより、病院の都合に合わせた医療のようでした。

「死んでいないという状態を維持するための医療」ではなく、自然な形で寿命を迎えるための医療、生活の延長線上にある医療も必要ではないかと、私は思っていました。しかし、自然な死を受け入れるため、あえて何もしない医療を選択することは病院勤務医としては難しく、開業を考えるようになりました。